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2018年10月26日、ようやくiPhone XRが発売となり2018年に発売されるiPhoneが出揃いました。
iPhone XRはその前に発売されたiPhone XS/XS Maxと同じCPUを搭載しているにも関わらず、性能を少しだけ抑えることで販売価格を下げることに成功したモデルとして、海外の多くのアナリストたちもiPhone XRは売れるだろうと予測していました。
しかし現実は予測通りではなく、非常に最悪な状況を迎えてしまいました。その様子を見たAppleはiPhone XRの増産をキャンセルせざるを得ない状況に追い込まれてしまったのです。
さらにiPhone XRには、はじめから売れない要素を持っていたのかもしれません。
以前までのiPhoneであれば、予約をしていても発売日に入手することはできませんでした。それでもいち早く入手できる可能性を信じて、Apple Store前に発売される数日前から並ぶといった風景が見られたぐらいです。またインターネットで予約できたとしても、初回入荷分はすぐに売れきれてしまい、いつになったら手元に届くのか検討もつかない状況でした。
それが今回のiPhone XRの場合、発売日を過ぎてもインターネットで在庫を表示している家電量販店やApple Storeでは、即日手渡しできるか翌日発送できる状況だったのです。
それでも多くの店舗で在庫表が「在庫なし」となっているのを見かけます。これは実際に予約が多すぎて渡せる在庫がないわけではなく、入荷数が少ないために在庫がないという状況だったようです。入荷数が少なかったことは多くの店舗で、デモ機を用意できなかったことが語っています。
それでもある程度は売れるだろうと思っていたiPhone XRが、ことごとく惨敗しているのには理由がありました。

理由① 販売価格がiPhone XSとそれほど変わらない
大きな理由として、iPhone XRとiPhone XSの販売価格にそれほど大きな価格差がないことが挙げられます。auではiPhone XSが128,640円となっていますが、iPhone XRは98,400円でその差額は約3万円しかありません。しかも携帯電話会社で実施している48回払いを利用すれば、iPhone XSが2,680円/月、iPhone XRが2,050円/月で購入できるので、それほどの大きな価格差となっていないため、高性能なiPhone XSを選択してしまう人がいるようです。
理由② iPhone8やiPhone8 Plusなどの旧モデルが台頭
Appleのもっとも大きな誤算は「旧モデルを価格改正で販売している」ことです。iPhone XS/XS Max、iPhone XRの発売にあわせて旧モデルは生産終了とすれば違った結果になっていたかもしれませんが、旧モデルを発売し続けてしまった結果、iPhone8/8 Plusが売れているという事態を招いてしまったのです。
海外でもiPhone8/8 Plusのモデルを求める声が多く、iPhoneの製造を担当しているFoxconnでは、iPhone XRの製造用に用意したラインの25%は可動できずにいると報じられています。
理由③ 旧モデルのキャッシュバック競争が激化
これは某家電量販店などで実際に見かけたことですが、今契約している携帯電話会社からMNPで乗り換えることと、乗り換え時にiPhone8/8 PlusやiPhone Xにした場合、現金や商品券で5万円を超えるキャッシュバックを展開している店舗があり、これではiPhone XRにしようと思っていた人でも「本体代が実質0円になる」と考えて、性能差があまり大きくないiPhone8や、OLEDが使いたいのであればiPhone Xを選ぶでしょう。
販売店がiPhone XRの売れない状況に拍車をかけるようなキャンペーンを展開している以上、おそらくiPhone XRは売れることはないでしょう。
これらの理由から、売れ行きを伸ばせないでいるのではないでしょうか。
昔何かで読んだことがありますが、人は選択肢が多くなればなるほど決定することができなくなり、結果選ばないという決定をすることがあるというのです。今回のiPhone XRは正しくそれに該当する状況で、6種類のカラーモデルが登場しています。
定番のホワイトやブラック、毎年販売時期がずれていたレッド、そして今までに登場していないコーラルやイエロー、そしてブルーといったちょっと変わったカラーモデルまでもが登場したiPhone XRは、色を決定することができないため、別のモデルに手が伸びてしまう人がいるようです。
しかし、種類が多すぎて決定できないこの状況は過去にも苦い経験をしているAppleなのに、なぜ同じことを繰り返してしまったのでしょうか。その経験から何も学んでいないことが、今回露呈してしまった結果なのかもしれません。
そんな酷評されてしまうiPhone XRですが、まったく売れていないわけではありません。ただもう少し売れ行きを伸ばすには、おそらく価格設定を変更する必要があったのではないでしょうか。過去に廉価版として発売したiPhone5c。同時に発表されたiPhone5sの方が見た目もよく、ハイスペックにも関わらず価格差が1万円しかないことから、iPhone5sを選ぶ結果となってしまったのです。
あれから数年経過した2018年にも、全く同じ失敗をやらかしてしまったAppleは、この結果をどのように捉えているのでしょうか。一部のサプライヤーでは「ホリデーシーズンでも増産はキャンセル」するべきだと考えているようです。価格が軒並み上がり続けるiPhoneに、ユーザたちはすでに見限ってしまっているのかもしれません。
すでに毎年買い換えることが難しくなってきているiPhone。もう少し購入者のことを考えてもらいたいものです。
source:iphone-mania
source:NIKKEI ASIAN REVIER
Photo:Appleスペシャルイベント